(知っているようで知らない)鳥の話
〜鶏はなぜに朝方に鳴くのか〜
鳥が鳴くのは、大抵、雄性体(オス)であり、大きく二つの場合に分けられます。
- 一つ目は雌性体(メス)に対する求愛。日本では鶯が美しい声で鳴くのは有名な話ですね。
- 二つ目は他の雄性体に対する縄張りの主張。例には挙げられないほどの多くの種に共通しています。
これらはその特徴から分かりますが、繁殖期に頻繁に聞こえてくるものです。
本題。鶏はどちらに当てはまるのか。
実は、どちらにも当てはまりません。
私達の知っている鶏もかつてはそうだったかもしれませんが、今は違います。
彼ら、鶏は人間に飼われるようになって、また、多くの品種改良を経て、
野生の時のそういった習慣がなくなってしまったからです。
【おそらく残ってはいるでしょうが、随分と薄れてしまっています。
そのため皆さん御存知のとおり、鶏は一年中鳴くようになってしまいました】
では、なぜ、それも朝方に鳴くのか。
鶏は他の多くの鳥と同様に夜間は目が見えていません。
人間に飼われているとはいえ、目が見えない状態では、
いざ事が起こった時のことを考えると不安でなりません。
しかし、朝陽が昇ればもう安心です。闇に怯えて暮らす必要はなくなります。
そこで彼らは、その安心と喜びを表現するために、早朝、
陽が昇ると同時に甲高い声で鳴くと言われています。
【嘘だと言われてしまえば厳しいのですが、
観察の結果や様々な実験からそうではないかと考えられています】
私の実家では鶏を飼っていますが、実際のところ、
彼らは早朝であろうと真昼であろうと夕方であろうと、
ひっきりなしに鳴いています。しかし、よくよく考えてみると、
確かに深夜にはあまり聞いた事がないように思われます。
残念ながら、今のところ私には鶏語も鶏の気持ちも分かりませんが、
彼らが夜に不安を感じているというのはあながちそうなのかもしれません。
ちなみに鶏の雌雄の見分け方は顎飾りの有無だそうです。
鶏冠はオスでもない種族がいるそうですので。
一瀬谷 寛
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