(知っているようで知らない)降水確率の話


〜正しい降水確率の決められ方〜


    その1

  1.  計測すべき上空(街とか平野とか。多くは観測地点がある場所の上)を縦に、 一辺30キロメートルの正方形に区切ります。
  2.  さらに正方形一つ一つを、23の断層に分けます。 (観測する場所によって正方形の数に違いが出ますが、基本的にはすごい数に)
  3.  その断層ブロック毎に【温度】【湿度】【気圧】【風力】の四つを測定します。 データとしては少なく見えますが、これが適当なのです。(【風力】には風速も風向も含まれます)

  4. データ収集完了、ここからはデータとのにらめっこ。


    その2

  5.  気象観測以来、およそ60年に渡って測定され蓄積されてきた過去のデータと、ついさっき計測した四つの新しいデータを比較します。
  6.  過去のデータの中から、新しいデータと同じ(【似ている】は不可)状況を全て拾い上げ、過去にその後の天候がどう変化したかを調べます。
  7.  過去のデータの中で、新しい計測データと同じ状況が100回あり、そのうち50回がその後雨になっていたならば、降水確立は50%となります。
  8.  弾き出された数字は、各報道機関によって皆様のもとへ。

  こうして、皆さんのもとに『明日は雨でしょう』 というお天気お兄さん(お姉さん)の声が届くのです。


  ここまでくれば、なぜ天気予報が外れるのかも理解できるかと思います。 予想というものは基本的には過去の経験や結果に基づくものですが、 中でも天気予報はそれに厳密に基づいてなされたものの一つです。 故に現在や未来のものには完璧には対応できません。外れたからといって物を投げないで下さい。

  今ではパソコン等、機械技術が発達しておりますので、 観測やデータの比較などと言われても簡単そうに思われます。 ですが、今も昔も、その大変さは変わりません。 自然の強さや難解さには、未だに人間だけでは太刀打ちできるものではないからです。

  より正確で完璧な予報を目指して。 現在も行われているその関係者の努力は多くの人が見習わなければならないことと思います。

  ちなみに、降水確率50%の時にはどうすれば良いのか。

  それは、誰にも分かりません。

一瀬谷 寛

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