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2003年9月〜

思い

夏草


街角で緑が広がる

どんなに手入れをしても

数日でこの有様

ほんの一握りの土にも

緑は育つ

夏草のそのすばらしい勢い

私はそこに輝きとため息を見る


ふと思うの

今、地上から人間が消えたなら

何が起きるだろうって


夏草は人の跡を見事に

消してくれる?

わたし

私は小さな

いえ、とても小さな存在にすぎない

誰も、彼も


確かにそう、でも大切なのは

嘆く、ことではないはず

だって、しょせん

人間なんて地球サイズからなら

ただのチリ

地球なんて銀河サイズからなら

ただのチリ

銀河なんて宇宙に比べれば

ほんの一欠け

もしかしたら、宇宙さえも…


でもね、そうだとしても

私は、今

ここにいる

ここで生きてる

たとえ、ほんとはどんなに小さな存在だとしても

偶然

本との出会いは偶然

ほんと、偶然

ふと手に取って

最初の数ページで気に入ったこの本

とてもしっくりくる



ああ、そうだ

思わず買ったこの本

前にどこかで立ち読みした本、

秋の陽

秋の陽はつるべ落とし

とは、よくいったもので

今日の夕暮れは劇的だった


薄青、薄墨、夕闇と

みるまに暮れていった


幕を降ろすように

とか、

水に墨を落とすように

という表現も見事だなあと思う


そして、今の外の色は

闇色

月は輝きを増し続けてる


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