日々の中で




そら


 ねえ、部屋の中に閉じこもってないでちょっと外に出てみようよ。
ほら、見えるでしょう、ひろいひろい空が。この果てしない青空が、無限の星空が
私たちの生きてるセカイの大きさ。私たちにとって無限の大きさのこのセカイ、
でもこの地球でさえ宇宙の中のチリの一かけにすぎない。
 でも私たちの心はこのセカイを感じて受け入れてる、それはなぜ?
それは、私たちの心がムゲンダイだから。だから私たちはこのセカイの大きさを感じられる。

日々のなかで疲れてしまったときは「そら」を見て。




あわ


 ふと、浮かんだ想いに心を沈める。周りの音が遠ざかる。
切り離された静寂の中浮かび上がった「あわ」に身をゆだねる。


「パチンッ」  突然想いははじけ、現実が近づいてくる。
日常への回帰。




匂い

ふと何かの匂いがはなをくすぐる。とても懐かしい感じが胸に広がる。

(この匂い、知ってる)



でも、胸に広がるイメージはどこかはっきりしなくてもどかしい。

(どこでだろう、どんな時だったんだろう?)



すごく引っかかってもどかしい。でも微笑んでしまう。
きっとこれは、楽しかったときの匂い。
だって今、こんなに嬉しいから。



夕日


 子供たちの遊ぶ声が聞こえてくる、そんな夕暮れ。
私もいつかはそんな輪の中にいた。

こんな穏やかな時がいつの日もいつの日も続きますように、



そう願う。
穏やかな夕日の中で。



祭囃子

 祭囃子と太鼓の音、人々誘う音がする。
だけど囃子の笛の音は、やがての終わりを告げてるようで、
くっとこの胸しめつける。

だからはしゃごう今だけは、時が来るまで浮かれていよう。



風の舞い


真っ青な月の下、歌うは風。
流れくる思いを束ね、宙に舞う。


一面の草の海に、風の道。ただひたすらに想いを乗せて。


詠い詠いて今宵もふける、虫の音絡めて謡は続く。
月の下にも影はなく、草の上にぞ刹那の影を。


残して吹きて消えてゆく。


空より降りし風の舞い、踊りて歌い、空へと還る。
風の旅の、束の間の、想いを誰が聞いただろうか。



written by ; 月影


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