学校の階段!?
見える桜儚
1
「皆の衆、心して聞くが良い。」
その声に生徒達は息を呑んだ。
誰も話す者はいない、担任の声と外で鳴いているセミの声以外物音一つ立たない。
「今回の期末テストで成績が落ち込んだ奴、上がった奴、色々いる。
だが、1回の試験で一喜一憂していてはいけない。」
緊張が張り詰めていた。健も達樹も汗をかいている。
「お前たちはこれから受験という厳しい道のりをひたすら歩いていくのだ。
ゴールに辿り着いた時、初めて喜べば良いのだ。」
1年2組内は静寂を保っている。
「…しかし、だ。」
ここで生徒達がピクリと動く。
「こんな話は2年の後半から聞いときゃいい。今は大いに楽しむべし、以上!!」
そう言うと坂田先生は教室を後にした。
そして、クラス内は歓喜と興奮の渦に包まれる。
クラスが声を一つにして言う言葉はただ一つ。
「夏休みだぁーっっ!!!」
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