学校の階段!?

12



  桜儚は眩しさのあまり目をつぶり、撫子は固まっていた。その変化した人は、赤茶けた髪をしていた。


「…テムズ…!!!」


  撫子はその青年を見て、そう言った。桜儚はあの写真の人物を思い出した。


『撫子、これって写真の…?』

「あ、あぁ…」


  その時、テムズは頭を抑えながらゆっくりと起き上がった。


「…痛たたたたたたた…あ〜、結構痛いな…」


  何と彼は流暢な日本語で喋ったのだ。


「テムズ!!」

「…あ、モニカ♪やっほ〜♪」


  そして、撫子を見ると彼は爽やかな笑顔で手を振った。


「やっほ〜じゃないだろう…まったく、何で…」


  そう撫子が近付いた時だった。


「お〜い撫子、桜儚さん。さっき凄い音が…」

「桜儚〜、撫子さ〜ん♪」

  戸を開けて健と達樹が入ってきた。


「あ、ケン、タツ……」


  そして、次の瞬間。



「会いたかった、モニカ♪」




  健と桜儚は赤面し、達樹と撫子は固まった。

  テムズ・アーノルドは撫子の唇を自分の唇でしっかり塞いでいたのだった。






前ページ<=>次ページ(序章へ戻る)



序章へ戻る
トップへ戻る