学校の階段!?

第3章 桜儚の思い出

  健と達樹にとって、高校生活初の授業が始まった。
初めての教師との顔合わせ6連発は緊張したが、何とか持ちこたえた。

  しかし、健はそれどころではなかった。
あの後寝付けず睡眠不足なのもあるが、心に引っ掛かる事があった。

(あの夢…何ではっきりしてきたんだろ…10年間、ずっと止まってたのに…)

「健?」

  不意に名前を呼ばれて、健は一気に現実世界に戻ってきた。
彼の机の前には、達樹が立っていた。

「大丈夫か?何か、朝からぼ〜っとしてるけど…」

「あ、う、うん!!大丈夫だよ!!」

  健は慌てて笑顔を作ったり、ラジオ体操を始めたりした。
達樹は顔をしかめたまま囁いた。

「何かあったら言えよ?隠し事は無しって決めただろ?」

健は頷いた。頷く事しか出来なかった。


そして、あっという間に放課後になった。






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