学校の階段!?第3章 桜儚の思い出4
「…ったく、何なんだよあの馬鹿両親は!!」
やっと口を開いたのは達樹だった。 「…達樹…駄目だよ、ご両親の事悪く言っちゃ…」 「あんなの良いんだよ!!どうせいつも仕事で、俺はいらねぇ子…」 「達樹!!」 珍しい健の怒鳴り声を聞いて、達樹はビックリした。 「…あ…ごめん…ごめんね、達樹…僕が…『不幸を呼ぶ子』だから…」 健の目からは、いつの間にか雫が零れ落ちていた。 「健、それは関係ないだろ?両親は俺の受験で…」 「…違う…違うよ…僕のせいで…皆……」 もう健は泣く事で精一杯だった。 「健…もう寝よ?な?」 健が頷くのを確認し、達樹は健の手を引いて2階に上がった。 健は何も言わずに部屋に入った。 「…達樹は知らないんだ…。」 ぽつりと呟いた健は、すぐ眠りに落ちていった。
また夢を見た。
だが、今日健を呼ぶ声はいつもの声じゃなかった。 「健…っていうのか?」 聞き覚えのある声だった。 「俺、今日ここに引っ越してきたんだ。よろしくな!!」 そう言って手を差し出したのは、小さな達樹だった。 しかし、やがてそれはいつもの場面となる…。 「達樹ぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!」 いつもよりうなされた気がして健は目覚めた。 同じ頃、客間の写真立てがパタリと倒れた。 topへ戻る |