学校の階段!?

第4章  10年前の真実

5

  夜も更けた。

健は達樹と久しぶりに一緒に帰ってきて、一緒に夕飯を食べた。

「じゃ、また明日からはいつも通り一緒に登校な。」

「うん♪」

「あ、それと…。」

部屋に入る前、達樹は言った。

「俺、どんなに両親に反対されても、お前とずっと親友だ。健は『不幸な子』なんかじゃねぇ。俺がいる限り、必ずお前をずっと笑顔でいさせてやる!!」

嬉しかった。


でも…。


    「世の中、思い通りにいく事なんて無いんじゃ…。」


顕彰の言葉が頭から消えない。

「あれ…お父さんの葬儀の時だったな…。」

そう呟いて、健は眠りに落ちた。





  そしてまたあの夢を見て、また飛び起きた頃、一羽のカラスが窓の外から健を見つめていた。

カラスは一声鳴いて、月のある方へと飛び去った。






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