目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第6章 学校の階段!?第6章 狙われた桜儚(前編)15
その頃、用務員室では――。
『ちょっと、坂下!!いい加減出しなさいよっっ!!!』 『気』を封じ込められた桜儚が暴れん坊将軍していた。 「先輩、油断しないで下さいよ。『気』は封じ込めてあるとはいっても、『奴』に先輩の声が聞こえてるかもしれませんから。」 警告しながら坂下は優雅〜にお茶をすすっている。 『気』を封じ込められた霊の声は相当高位な神霊者しか聞こえないのだ。 『大丈夫よ、もしもの時はアンタが守ってくれんでしょ!!』 物凄いらぶり〜な笑顔で言うような台詞ではない。 坂下は笑いながら急に真面目な顔になった。 「しかし…」 『?何よ?』 そう言いつつ、坂下は湯のみを置いて空を見た。 雲行きが怪しくなってきた。 「…先輩、少し表を見てきますね。」 坂下は通用口から外へ出た。
それが、桜儚が見た坂下の最後の姿だった。
「…ふふふ。」 大羽高校上空に人がいた。その人は、やはり宙に浮いていた。 「もうすぐ…もうすぐだ。」 多くのカラスがその周りをぐるぐると飛び回っていた。 人は高らかに笑うと、その場からスッと消えた。
「待っていろ、神霊者…。」 その呟きと共に―――。 序章へ戻る トップへ戻る |