学校の階段!?

第8章 衣替えと栗羊羹

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  一方、こちらは健宅。


「1ヶ月か〜…神社は当分お休みだね。」

残念だな〜と言ってはいたが、健の声は上擦っていた。

「宿題持ってかなきゃなっ!!」

達樹は既に宮下ハナに電話をして、1ヶ月分の着替えを自宅に用意して貰っている。

「でも、結局桜儚はどうして行くんだろ〜ね?」

それは途中で桜儚が止めてしまったので分からないままだった。

「さぁな…でも、坂下さんの事だ。何か裏があるんだろ〜な。」

  そんな事より、明日の弁当何だ?と達樹がいきなり聞いてきたので、 健は何だかおかしくなってしまい、噴出してしまった。

「な、何だよ?!」
「別に〜。明日はシュウマイだよ〜。」

お、やった〜!!という達樹の嬉しそうな声に、健は微笑んだ。

  そして、夏休みも楽しみだけど、こういう普通の日も好きだな〜としみじみ感じていたのだった。


そんな梅雨の日の夜は静かに更けていった。




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