学校の階段!?

第8章 衣替えと栗羊羹

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『…は?』



桜儚の顔は埴輪になった。

坂下は今物凄い事を言わなかったか?


坂下の顔はいつものようにニコニコしていた。

『…アンタ、そんな事出来るの?』
「完全に、とまではいきませんよ。 わしと、健君と、撫子君がいれば1ヶ月間“仮簡解脱(かかんげだつ)”を持たせられるでしょう。」
『“仮簡解脱”?』
「一時的に呪縛を解いて霊を離し、 呪縛の中には別の物体を霊に偽装させておくというかなり高度な術ですよ。」

分かったような、分からんような術だ。要は桜儚を呪縛の外に出し、 呪縛の中には桜儚の偽者を入れておくという事らしい。

「終業式の日に二人には話して、昼から術を始めようと思います。」
『そう。』

ぶっきらぼうに答えたが、桜儚は内心ガッツポーズしまくりだった。
本当に自分は行ける、健と…外へ…1ヶ月も!!!


(…な、何で健なのよっっ!!)



桜儚は坂下に見つからないように真っ赤な顔を手で覆った。




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