学校の階段!?

見える桜儚

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「え〜っ、桜儚が〜?」

自分が卒倒していた時の事情を全て聞いて、健はびっくらたまげた。 声からはびっくらたまげた様子は想像も出来ないが。

「で、桜儚は大丈夫なんだよね?」
『この通りピンピンしてるわ』
「卒倒したお前が一番大丈夫じゃねぇって」

健は達樹の言葉を聞いて耳まで真っ赤になった。

で、坂下はついでに仮簡解脱をしなくてよくなった訳も話した。

「幽霊には呪縛が一時的に極度に薄くなり、呪縛を解かずとも自力で移動が可能になる時があるのじゃ。 先輩の場合霊気の減少期と重なったようじゃが」

ふ〜ん…と一同納得した。



「さて、明日の予定じゃが…」

「待ってました!!」と達樹が手を叩いた。健も撫子も笑顔になった。

「明朝5時に用務員室集合でどうじゃな?」

・・・しばし沈黙。


「「「…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ?!!!!」」」


「早いよ〜、坂下さん〜!!」

実は健はかなりの低血圧だ。

「起きれるか?」

実は達樹はただのねぼすけだ。(実はでも何でもないが)

「サカシタさんは年寄りだからな。“年寄りの麦茶”だろ?」

撫子はことわざを間違えている。しかも使い方も違う。 とりあえず、何だかんだ健達が騒いでいる間、桜儚はずっと外を見ていた。



(そろそろ、か…。まだ私、“アイツ”に会ってないのに…)

桜儚の脳裏には“アイツ”の顔が浮かんでいた。75年前から顔は変わっていない。 あれから一度も会っていない、いや、会えないから…。

『…リュウ…』
「“リュウ”?誰それ?」

気がつくと、健が横にいた。桜儚はハッとして、慌てて首をふった。

『な、何でもないない!!!!』
「じゃ、そ〜ゆ〜事で明日は5時集合じゃ!!今日は解散〜」

結局坂下の独断で5時集合って事になった。




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