学校の階段!?
影
10
撫子と桜儚の部屋の片付けがやっと終わった。
桜儚は着の身着のままだが、撫子が本やら服やら宿題やらをごそっと持ち込んだので、
部屋の4分の1が荷物で埋まっていたのだ。
「何か家出してきたみたいだな…」
撫子は自分の荷物の多さに苦笑いした。
『そういや、日本では撫子は一人暮らしなのよね?』
「あぁ」
『ホームシックとかならないの?』
桜儚の質問に撫子は笑った。
「まぁ、半分勘当状態だからな。それに、アルバムもあるから…」
そう言って、撫子は財布から2枚の写真を取り出した。
『これ、撫子一家?』
桜儚はたまげた。皆撫子と同じ美形ばっかりだ。やはり、顔のよさは遺伝なのだろうか。
「右端からお父様、お母様、私、父方のお婆様、お爺様だ。
で、こっちの写真が母方のお爺様、お婆様、伯母様一家」
父方のお婆様は日本人だった。
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