学校の階段!?

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「で、客人はどれほどかな?」


  廊下を足早に歩きながら、坂下は後ろにぴったり控えている白井を見もせず尋ねた。


「…おそらく、一人、かと…」


  白井は少し言いづらそうに口を開いた。


「たった一人でここに乗り込んでくるとは、たいそう肝の据わった客人じゃのぅ…」

「申し訳ございません、手前が駆けつけた時には守備の者も既に手負いになっておりまして …それで、総代…」

「何じゃ?」

「守備の者から聞いたのですが…どうやら客人は、『除霊者』の仲間のようです」


  坂下の足が止まった。


「…撫子君は『除霊者』ではないよ。彼女の符術は立派な神道じゃ。 それに、彼女はもうシュパイヤー家と連絡を取っていない。いわば自主破門じゃ」

「それは総代がご説明された通りです。しかし、客人はこう言ったそうです」



「I’d love to see Monica.(モニカに会いたいんだ)」




坂下は何も言わずただひたすら廊下を歩き続けた。






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