学校の階段!?

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「健君、達樹君、撫子君、先輩」


  何があったんだろう…と健が思っていると、坂下がいつもの優しい声で自分達の名前を呼んだ。


「どうしたの、坂下さん?」

「ちょっと客が来てしまってな、その人に会うのは時間がかかるんじゃ。 だから、今日はここでお開きという事にしてくれんかな?」


「よっしゃ!!!」と4人はガッツポージングした。


「じゃあ、その紙は明日の朝イチで提出という事でな」


  それだけ言うと、坂下はそそくさ部屋を出て行った。


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…。やっと解放されたぜ〜…」


達樹が大きなため息をついて、ゴロンとフローリングの床に寝転がった。


「サカシタさん、あんなに厳しい人だったんだな…。学校にいる時とギャップがありすぎる…」

「でも、お客が来るって内容の話にしては白井さんも坂下さんも怖い顔してたよ〜?何かあったのかな〜?」


健の言葉に桜儚は少し嫌な感じがした。




『…さ、部屋に戻りましょ。荷物も整理しなくちゃ。行くわよ、撫子』


  久しぶりの正座を崩して、桜儚はスクッと立ち上がった。


「あ、オウ…!!!」


撫子も立ち上がろうとした…が、いきなりその場に倒れた。


「撫子?!どうしたんだ?!」


慌てて達樹が駆け寄って、撫子を抱き起こした。


「タ…タツキィ…もう…駄目かもしれない…」

「何だ?!何処か痛いのか?!!」


  撫子は涙目である。病気かもしれない、と達樹と桜儚は思った。

が、健だけはその涙の理由を知っていた。


「大丈夫だよ〜、撫子さん。足の痺れはすぐ取れるから〜」

「…そうか…良かった…」

「『……足?』」


クォータの撫子に正座はちとキツかった。





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