学校の階段!?

7



  数時間が経過したが、大広間では4人が机に向かってウンウン唸っていた。
それを坂下があっちへウロウロ、こっちへウロウロしながらにこやかに笑って見つめていた。


「坂下さ〜ん、これで良い〜?」


  健がヘロヘロな声で16回目の書き直し修行メニューを提出した。 坂下はそれに目を通すと、ニコッと笑った。


「書き直し、じゃ」

「えぇ〜っ?!!また〜?」


  健は机に突っ伏した。坂下は決して何処が悪いとは言わないので、 自分で考えて直さなければならない。健は未だにそれが分かっていなかった。


『ったく、机に向かうなんて75年ぶりよ…』

「先輩、口動かすより手動かして下さい♪」

『…はいはい』

「『はい』は1回ですよ?」

『…は〜い』


  優しい笑顔で結構酷い。達樹は坂下がここの総代である事が不思議じゃなくなってきた。


(坂下さん、仕事に関しては凄ぇ厳しいな…)


「そりゃ、本職じゃからのぅ」


  心の声に返答されて、達樹はびびった。




「失礼いたします」


  そんな中、襖の外から冷蔵庫の温度並みの声がした。


「うむ、入りなさい」


  坂下の目つきが急に鋭くなった。 すると、襖を開けて声と同じくらいの温度をした視線の白井が入ってきた。


「総代、少しお耳に入れたい事が…」


  そう言うと、白井は坂下に耳打ちをした。 自分の仕事(宿題?)で手一杯な健達に話の内容を聞き取る事は出来なかったが、 坂下の顔が怖くなっていったのには気付いた。





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