学校の階段!?

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  健・達樹と撫子・桜儚が再び顔を合わせたのは部屋に通されてから2時間ほど後だった。 健達がこれまた広すぎる部屋で寛いでいると、白井が坂下の伝言を伝えに来た。

「正装して大広間まで来てくださいと坂下様からのお託です」

  達樹は事前に坂下から借りた世話役用の黒い雲水衣のような衣装に、 健は神主の衣装に着替えて渡り廊下に出た。その時迎えに来てくれた撫子と桜儚に遭ったのだ。



「ケン、タツキ。二人とも似合ってるな」

  そう言う撫子だって初めて着る巫女の衣装が凄く似合っている。 そして、いつもそのままにしている金髪のロングヘアも今日は一つに束ねている。

「お前だって似合うじゃんか…」

  達樹は照れ臭そうに鼻を掻いた。撫子も頬を朱に染め、うつむいた。



『ちょっと、私は?!!』

  「こんな所で見せ付けるんじゃないわよ!!」って感じで桜儚はズイッと前に出た。こちらも巫女姿だ。

「あれ〜、桜儚いつの間に着替えたの?」
『さすがにセーラー服は正装じゃないでしょ?だから、ちょっと霊力使って服替えたのよ』

  自縛霊ってそんな事も出来るんだ〜…と健が感心していると、 桜儚はプク〜ッと頬を膨らませて健の正面に立った。 背がほとんど同じなので、桜儚の大きな瞳と視線が合う。

「…何?」

  健は頭にいっぱい「?」を浮かべた。桜儚はますます頬を膨らませる。



達樹はピンときて、健の耳をグイッと引っ張った。





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