学校の階段!?
もう、戻れない・・・。
5
「か…勝手な事を言うな!!私とお前が結婚を約束したとかいうのは小さい頃の話ではないかっ!!」
撫子はどうにかしてテムズの腕の中から抜け出そうとした。
しかし、テムズの力は強くてどうしても離れない。テムズはそんな撫子を見て、フッと笑った。
「可愛いな、モニカは…。どうして僕を困らせるような事ばかり言うんだろう?」
声が怖い。撫子は震えていた。
「どうしたんだい?僕の可愛い子猫ちゃん。何におびえているの?」
その声も、撫子には冷たく突き刺さる。
「…テムズ、お前…自分に何をしたか分かっているのか…?」
撫子の言葉にテムズは一瞬ピクリと動いた。撫子は初めから、この男の異変に気づいていた。
「分かっているよ。これも、愛しいモニカを連れ戻すためだ」
テムズは親指だけで、撫子の顎をグイッと上に持ち上げた。
「モニカ…愛しているんだ、君を。僕ともう1度“契り”を交わそう…男と、女としての“契り”をね…」
テムズは甘い声でそう囁くと、撫子の唇に自分の唇を押し付けた。
「…ん…っ…!!!」
何か言いたい撫子だが、テムズが唇を離してくれない。
そうこうしているうちに、彼女の口の中にテムズの舌が入り込んできた。無理矢理口をこじ開けられる。
(て…抵抗できない……っ…!!!)
撫子はテムズのなすがままにされようとしていた。体に力が入らず、得意の符術も使えない。
遂に、服の中にテムズの手が入りかける。
(助けて…タツキっっ!!!!)
彼女がそう強く念じた時だった。
序章へ戻る
トップへ戻る