学校の階段!?
父(前編)
4
ま、まぁ、それはともかく。それから2週間たった今、
達樹と雅はちょっとした宿敵同士と化していた。いつも達樹が
暗闇の中で本に埋もれている雅を踏み、雅が殴り飛ばし、
それを達樹が「くそジジィ」と言い放って口喧嘩スタートである。
・・・あ、説明してる間に20分ほど経過。
「…ぜぇ…ぜぇ…きょ、今日は…はぁ…こんな…もんで……はぁ…」
雅はさすが歳のせいか、激しく怒鳴りまくったせいかで息切れしている。
「まぁ…こんな…はぁ…はぁ…もんで…ぜぇ…」
達樹もちょっぴり息切れである。二人は「ふぅ〜」と同時に床に座り込んだ。
「雅さ〜ん♪達樹〜♪ご飯持ってきたよ〜♪」
いつものごとく、健がお盆に2人分の朝食を載せて蔵の中に入ってきた。
両手は塞がっているが、神霊術で蔵の中を明るくしているので足元は明るい。
「健〜♪いつもすまんな〜♪」
健の姿が見えた途端、雅はパァッと子供っぽい笑顔になった。
「…都合のいい時だけかわいこぶりやがって、くそジジィが…」
「黙れ、青二才」
「2人とも何か言った〜?」
神霊術で空中浮遊させて運んできたお櫃からもっさりご飯をついでいる健には、
二人の仁義なき戦い(悪口の言い合い)は聞こえなかった。
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