学校の階段!?
第16章 久しぶり。
5
彼女の白い指がそっと翡翠に触れた。
その瞬間。
バチィィィィッッッ!!!!!!!
『な、な、何よこれぇっ?!!!』
『な、な、何よこれぇっ?!!!』
桜儚の触れた場所から一閃の青白い稲妻が現れた。 驚いた桜儚が慌てて手を反射のように引っ込めると、稲妻は消えた。
『・・・な、何だったのかしら・・・一体?』
「桜儚?!怪我はないの?!!!」
健が慌てて桜儚に駆け寄る。そして、触れられないその指に触れようとした。
『だ、大丈夫だけど・・・・・・』
桜儚も健の方も向こうとした。
すると。
「・・・・・・?!!!あれ?」
『ん?どうしたのよ?』
「桜儚・・・・・・服・・・・・・戻ってる」
健の言葉に、次々に人が駆け寄っては「本当だ・・・」と呟く。
セーラー服だと思っていた桜儚の服は、霊力がなくなる前の巫女姿に戻っていた。
この不思議な現象に、その場にいた誰もが驚いて言葉を失った。
「・・・な・・・何だったんだ、今の・・・・・・?」
沈黙に耐えかね、真っ先に口を開いたのは、達樹だった。 健、撫子、坂下、それに桜儚−自分より霊について知っているその他の面々から、 答えが欲しかった。しかし、達樹の問いかけに誰も答えてはくれなかった。 坂下は難しい顔をして黙りこくってしまったし、 健と撫子は顔を見合わせて首を横に振るだけだった。桜儚はきょとんとしたまま、動かなかった。
「・・・と、とにかく桜儚の霊力は戻ったってこと・・・なのかな?」
健が躊躇いがちにそう言った。坂下に肯定をして欲しかったのだが、やはり黙ったままだった。
「サカシタさん、何かあるのか・・・?」
撫子が尋ねる。すると、坂下はハッと我に帰った。
「い、いや・・・何もじゃよ。それより、先輩体に異常はありませんか?」
『体?・・・別に、普通よ?』
それなら大丈夫だと思う、と坂下は言って立ち上がった。
「ちょっと、席を外すよ」
「あっ、坂下さんっ!!俺も行きます!!」
何かを察したのか、達樹も坂下の後を追って部屋を出た。
「・・・どうかしたのかな、二人・・・?」
「う〜ん・・・分からない」
『でも、健・・・どうしてこの首飾りを・・・?』
「あ、それはね・・・・・・」
こうして、健は撫子と桜儚に源三のことを話すこととなった。
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