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学校の階段!?

第1章  出会いは始まり

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 午前7時45分、緑ヶ丘市立大羽高等学校正門付近。

「あ〜、達樹〜。おはよ〜。」


二人の少年は何故かここで出会った。


「お前、何であんなに早く家出て着くのが俺と同じなんだ?!」

達樹は健の姿を見て正直驚いた。

「だってさ〜、家出ていきなり方向間違えて、気付いて慌てて引き返して、 その後トラック同士の喧嘩に巻き込まれて、止めようとしたら殴られて気絶しちゃって、 目が覚めたらもう7時回ってて、30分ヒッチハイクして何とかここまで…」

たかが登校でかなりあどべんちゃ〜である。 達樹は頭がくらくらしてきた。

「…お前らしいわ…本当にツイてないのな…」

「そうなんだよ〜。何か悪い物食べたかな〜?」

そう、五寸健は世界一ツイてない男として緑ヶ丘市でも有名である。 そして、一説によれば健は地球侵略を狙う宇宙人の一族ではないかという。 そんな事はありえないが。彼の成分は人間100%である。

「それより、クラス発表とか見に行かないか?」

「あ〜、そだね〜。」

どんなにとっぴな話が来ても、すぐ他の話題に移れる―これぞ幼馴染兼親友の良い所である。 二人は桜の咲き乱れる校庭へと歩いていった。




 「同じクラスで良かったね〜。」

「そうだな、お前から目離すと危ないからな。」

これで健と達樹は10年連続同じクラスだ。これは凄い。

「で、これからどうすんだ?」

「え〜とね、確か教室に入って待機だって〜。」

入学式は8時40分からである。

「ほぉ〜。で、お前教室の場所知ってるか?」

ちなみに、達樹はかなりの方向音痴である。

「うん、ちゃんと合格の時に貰った地図持ってきたよ〜。」

そ〜ゆ〜所はぬかりないのが健の良い所である。

「よし、じゃあそれ通り進めば大丈夫だな!!」

二人には不安なんてミジンコほどもなかった。







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