目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第1章 学校の階段!?第1章 出会いは始まり3
午前8時、1年2組教室内。
「みんな、入学おめでとう!!担任の坂田だ!!よろしくな!!」 まだ緊張しまくっている生徒達に向かって、坂田先生は元気良く挨拶した。 「さて、じゃあ出席を取るぞ!!名前を呼ばれたら大きな声で返事してくれ!!」 毎年この入学式を待つ生徒達の姿が初々しくて仕方ない。 坂田先生は真新しい名簿を広げ、一人一人名前を呼んでいった。 だが、ある生徒の所でその順調だった儀式も終わりを告げた。 「…五寸!!…五寸健?!いないのか?!」 教室中がざわめき始めた。 しかし、もっと動揺したのは坂田先生の方である。 「まったく…入学式に遅刻なんて初めてだ…続けるぞ!!」 その後の儀式は順調だった…が。 「…山梨!!山梨達樹?!!こいつも遅刻か…」 今年のクラスは大変だ…と坂田先生は一人頭を抱えた。 さて、あの二人はどうなったかというと……。
「おい〜、健〜。ここ何処だよ〜?」 「あれ〜?また同じ所に出てない〜?」 お約束に迷っていた。 と、そんな所へ天の助け!!用務員らしきおっさんが現れた。 「あ、あの!!1年2組への行き方を教えてほしいんですけど…」 天の助けにさっそく健がすがりついた。 「おぉ、新入生さんか。ここを降りてあっちへまっすぐじゃよ。」 天の助けはニコニコして教えてくれた。 「助かった!!ありがとうございます!!」 「あぁ、それから良い事を教えてやろう。」 「え?何ですか?」 天の助けはニコニコしながら続けた。 「その階段はな、75年前に女生徒が落ちて死んだ場所なんじゃよ。」 大規模な氷河期が訪れた。 「…死…んだ…?」 凍りついた口をやっと開けたのは達樹だった。 「そうじゃよ。夕方に、足を滑らせてのぅ…っと、そんな事はどうでもよいな。」 『良くねぇよ!!』 と突っ込みたかった。 そこまで聞いちゃったら最後まで聞かないとむずがゆいのが人間ってやつだ。 「ほれ、早ぅ行かんと遅れてしまうぞ?」 しかし、おっさんはそんな二人の気持ちもさらりとトイレに流してせかす。 「そ、そうだよ達樹〜。ただでさえ僕達遅刻なんだから〜。」 健も単純というか、人が良いというか…。 「…そだな。行くか。」 ここでワイドショーのレポーターをするのも良いが、今は教室にたどり着く事が最優先事項である。 健と達樹はおっさんに礼を言うと、階段を降りよう…とした。 「おい、健!!前!!」 「へ?」 ずるっ。 「あぁ〜っ!!!!!!」 「健―――っっっ!!!」 鈍い音がした。 トップへ戻る |