目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第6章 学校の階段!?第6章 狙われた桜儚(前編)10
「…でも、用務員室への出入りが禁止になった理由は分かったけど、どうしてお前と桜儚さんが狙われなきゃいけねぇんだ?」
問題はそこだった。 「ん〜…それが僕にも分からないんだ…それに…」 「それに…何だよ?」 達樹が尋ねても、健はそれ以上何も言わなかった。 ただ、真剣に何かを考えている事だけは外から見ても分かった。 「…ま、そのうち分かるって。さ、帰ろうぜ♪」 健は達樹の方を見た。にっかりと笑っている。 こういう切り替えの早さが達樹の魅力の一つなんだ…と健は改めて感じた。 達樹が笑うと自然に自分も笑顔になっている。 「うん♪」 その時だった、校庭から鈍い音と悲鳴が聞こえてきたのは…。 今度やられていたのは何故か大量の魚だった。種類もまばらである。 心臓部には全てカラスの羽がしっかり突き刺さっていた。 しかし、一つだけ奇妙な事があった。 「…鱗が無い…。」 その魚全てにあるはずの鱗は全て無かった。 「魚の鱗…か。昼間の心臓の無い猫といい、妙だよなぁ…」 「…達樹。」 急に真剣な健の声がして、達樹は一瞬戸惑った。 「な、何だ?何か思い当たる節でも…?」 「…帰ろう、今すぐに!!神社のお蔵に行こう!!」 「…お蔵ぁ?」 健はゆっくり、しかしはっきり頷いた。 序章へ戻る トップへ戻る |