目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第6章 学校の階段!?第6章 狙われた桜儚(前編)11
五寸釘神社には蔵がある。中に入っているのは専ら古書、それも神術や霊術に関する世界中の書が収められている。
「ここに入るのは久しぶりだな〜…」 健はしみじみとしながら暗い中を懐中電灯で照らしつつ進んだ。 「げほっ…すげぇホコリ…健〜、苦になんないのかよ〜?…ごほごほっ…」 達樹の言うとおり、蔵の中はホコリやらくもの巣やらで満載だった。 言うならば、『ザ☆腐海の森』である。 しかし、健はそんな事赤血球ほども気にしていない。 そして、ある所まで行くと、ごそごそと周辺の本を漁り始めた。 「…あったぁ!!これだ!!」 「何があったんだぁ〜?げほっげほっ…」 ホコリが目に入って痛い上に、懐中電灯を当てても健の顔はよく見えない。 まもなく、健が1冊の本を抱えて達樹の目の前に現れた。 健はにっこりと笑っていた。 『はじめての方でも大丈夫!!失敗しないおふくろの味・1』 本の背表紙にはそう書いてあった。 ホコリを払うと、出てきた表紙は間違いなくエプロン姿のモデルである。 「…あのぉ〜、健君〜?」 達樹は目を点にして聞いた。ツッコミも入れられないほど訳分からんのである。 「え、な〜に?」 健は普通に笑顔で返した。 「それで、本は本当に合ってるのかなぁ〜…?」 「うん、そうだよ♪」 達樹の中で何かが弾けた。 「間違いにもほどがあるだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」 序章へ戻る トップへ戻る |