目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第6章 学校の階段!?第6章 狙われた桜儚(前編)13
いつもと変わらない朝が来た。
いつもの登校風景、いつもの健と達樹の姿。 「タ〜ツキ〜!!Good morning♪」 そして、朝っぱらからハイテンションで金髪娘が達樹に抱きついた。 「おはよ〜、撫子さん。」 「あ、…えっと、ケン君!!Good morning!!」 「どぉ?もう日本には慣れた〜?」 「Yes!!」 撫子はとびっきりの笑顔で答えた。 「そういえば、お前何で日本に来ようと思ったんだ?婆さんの影響か?」 達樹の質問に撫子は急に顔つきを変えた。 「…business.」 「は?」 「It`s none of your business.(貴方には関係無いわ)」 そう言うと、撫子は達樹を突き放して歩き去った。 「な…何だよ、アイツ…」 達樹も健も訳が分からなかった。が、撫子の目つきの鋭さは忘れられなかった。 「あんな目をするんだね、撫子さん…」 「何かあるな、アイツ…」 それが、始まりだった。 それ以来、撫子は相変わらず達樹にくっついてきた。 もうあんな表情は見せないので、あの時は機嫌が悪かったのだろうと二人は考えるようになった。 健は相変わらず用務員室に行けないので桜儚の事や坂下の意味ありげな態度の事、そして謎の黒魔術師の事ばかりを考えていた。 (今のところ、分かっているのはこの学校に黒魔術師がいる事、そいつは何故か僕と桜儚を狙ってる事、その為に除霊薬を作ろうとしている事…。でも、他は分からない事だらけだ…。) 健はふと窓の外を見た。2年生がグランドでサッカーの授業をしている。 その時であった。 ―――――――――?!!! 健の視界の上から下へ、何かが落下していった。 健には、それがはっきりと見えた。 序章へ戻る トップへ戻る |