目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第6章 学校の階段!?第6章 狙われた桜儚(前編)2「おはよ〜…」 『市立大羽高等学校は本日から英国聖アーノルド学園高等部在学中のモニカ・撫子=シュパイヤーさん(15)を特別留学生として半年間受け入れる。モニカさんは祖母を日本人に持つクォーターで、聖アーノルド学園理事長であるフランク=アーノルド氏(78)の孫でもある。…』 …へぇ〜。」 達樹は残りを黙読すると、新聞から顔を上げた。 「凄いよね〜、留学生か〜。カッコいいな〜。」 健はまだ新聞から目を離さない。 「…なぁ、健。」 「ん?何?…あ、お味噌汁冷めちゃうね〜。」 そう言って健は立ち上がろうとしたが、達樹は彼の肩に手を置いて、座らせた。 「…違うの?」 「お前、昨日までに留学生が来るって聞いてたか?」 健はしばらく考えて、首を横に振って斜めに傾けた。 「そ〜いえば…生徒達には前もって知らせるはずだよね〜?」 「…何か裏があるぞ、きっと。」 達樹は健を見た。健の目は不安の色をしていた。 「…ほら、朝飯にしよ〜ぜ!!大丈夫だって!!俺達には関係無いさ!!」 わざと明るい声を出した。 「…うんっ!!」 健はいつもの笑顔に戻った。 大丈夫、達樹がそうやって安心させてくれるから…。 そう思いながら食卓に着いた。 「味噌汁入れるな〜。」 「うん♪」 達樹は味噌汁をよそいながら、何故か黒いモヤモヤを感じていた。 序章へ戻る トップへ戻る |