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学校の階段!?

第6章 狙われた桜儚(前編)

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「タツキ、ここが分からないの。教えて♪」


「タツキ、次は何の授業なの?」


「タツキ、教科書見せて♪」



  その後、撫子は何かあるたびに達樹に話しかけ、くっついた。
勿論、女子一同は撫子に激しい殺気を送り続けたが、届かなかった。


「健〜、助けて〜…」

昼休み、達樹は珍しく健に助けを求めてきた。

「ど〜したの〜?ヘロヘロだよ〜?」

「撫子の奴にず〜っと付きまとわれて…」

「でも、今いないよ〜?」

え?と思って達樹は後ろを見た。確かにあの金髪はいない。

「おっかしいな〜…何処行ったんだ?」

「トイレかな〜?」

「撫子さんなら屋上じゃない?」

  ふと、後ろから声がした。健と同じ委員会の女子だった。

「屋上?何で分かるんだ?」

「えっ?!あ、や、やだぁ〜山梨君〜♪えっとね、さっき屋上への行き方聞かれたのぉ〜。それでぇ〜…」

達樹は女を変える凄い方法である。

「でも、屋上で何するんだろ〜?」

「弁当一人で食う気か?」

そこの所は本人に聞いてみたかったが、やっぱり金髪はいなかった。



その時、窓の外を何かが落下していった。








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