目次 > 真川流実 > 学校の階段 > 第6章 学校の階段!?第6章 狙われた桜儚(前編)8
健と達樹はほとぼりが冷めるまで用務員室には出入り禁止になった。
そして、達樹は絶対に健から離れるなと念押しされた。 「ど〜いう事なんだろ〜な?」 二人ともさっぱり訳が分からない。 教室に帰ると、撫子が真っ先に達樹にくっついてきた。 「タツキーっっ!!!何処行ってたの?心配したよ〜!!」 「あ、ちょっと…それよりお前こそ何処にいたんだよ?」 達樹がちょっとたじろぐと、撫子はパァッと目を輝かせた。 「タツキ、撫子の事心配してくれたの?」 「え?だって、いきなり消えるから…」 その目に達樹の胸は再び高鳴った。 「How glad!!(嬉しい!!)」 撫子は思いっきり達樹に抱きついた。 さすがの達樹もこれには顔が真っ赤になった。 「あ、い、いや…その……で、お、お前は何処にいたんだよ?」 「撫子?撫子はね、サカタ先生に呼ばれて職員室にいたの。」 「そうだったのか…良かった。」
達樹は一瞬「あれ?」と思った。 何で「良かった」なんて言ったのか自分でも分からなかった。 撫子の顔を見ていたら自然に口をついて出たのだった。 「タツキ、もう撫子から離れちゃ嫌よ!!」 そう言って、撫子は再び達樹に抱きついた。 「あ、お、おぉ…分かった。」 女子一同は卒倒し、男子一同は悔し涙を流して演歌を歌った。 達樹の背中で、撫子は誰にも気付かれぬよう小さく笑った。 序章へ戻る トップへ戻る |