学校の階段!?

第7章 狙われた桜儚(後編)

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「で、先生は何の用事で俺を呼んだんだ?」

廊下に出た達樹は横を歩く金髪に尋ねた。

「知らないよ〜。」

金髪はニコニコしながら答えた。

「知らないって…お前な〜。俺だって忙しいんだぞ?」

やれやれって感じで達樹はため息をついた。

「どうして忙しいの?部活のカケモチってやつ?」

「ん?まぁ、それもあるけどさ…」

「…他に何があるの?」

突然、金髪が立ち止まった。

「あ?そりゃあ、アレだよ…その…」

奇怪な事件を追ってるなんて言えない達樹も立ち止まった。
すると、金髪は思いがけないことを言った。

「…magic(魔術).」

「へ?お前、今…何て…」

金髪はやっと達樹の顔を見た。その瞳は冷たかった。

「A cat's heart, scales, a kind of oak's leaves, and……」

次の瞬間、日本人のような瞳は赤く光った。
と、同時に達樹の全身の力も抜けていき、その場に倒れこんだ。

「…てめぇ…だった…のか……」

薄れる意識の中、達樹は呟いた。赤い瞳は冷たく微笑んだ。

「だから、言ったはずだ。『It's none of your business.』とな。」

「ち…くしょ……健……」

そして、目の前は暗闇となった。

「…悪く思うな、お前は神霊者の近くにいるからこのような目に遭うのだ。」

そう囁きながら赤い瞳の少女は達樹の髪を1本抜いた。

「これで…残るはあと二人だ。いや、正確には生きた人間1人、死んだ人間1人だがな…ふふふ…はははは…あははははは!!!」

そして、少女は風に紛れて何処かへ消えた。
健が意識不明の達樹を見つけるのに、時間はかからなかった。




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