学校の階段!?
第7章 狙われた桜儚(後編)
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達樹が目覚めたのはそれから半日後だった。
「だづぎぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
目覚めて最初に見たのは、涙と鼻水でぐじゅぐじゅな健の顔だった。
「…あ、あれ?俺……そうだ、アイツ!!アイツに!!」
起き上がろうとしたが、まだ頭が重かった。
「あ、駄目だよ〜!!まだ熱があるんだ、結界からも出れないよ。」
「結界?」
達樹は自分の周りをよくよく見た。布団の周りに札がたくさん貼ってある。
よく見れば、健も珍しく神主ルックをしていた。
「さ、達樹。祈祷の続きするから横になって。」
達樹は健に言われるまま横になった。
『達樹が倒れた原因は分かってる、撫子さんだね。』
「あれ?」
達樹の頭の中で声がした。声の主は今祈祷中で怪しい呪文を唱えている。
『幻聴じゃないよ。直接君の脳に声を送ってるんだ。』
「俺は喋らなくていいのか?」
『うん、心の中で念じれば僕に伝わってくるよ。』
つくづく健って凄い神霊者だと思った。
『健、聞こえるか?確かにお前の言う通りだ。俺、アイツの目見たら一瞬で力が抜けて…』
『やっぱり。ごめんね、僕がもっと早く言っておけば…』
『いや、大丈夫だよ。それより、坂下さんや桜儚さんは大丈夫なのか?』
『達樹、結界は本人が常に呪文をかけ続けてないと消滅するのは知ってるよね?』
『…あぁ、一応な。』
そういえば、前そんな話を健がしていたのを思い出した。
『坂下さんは監禁されているのに結界は消滅してない。だから、坂下さんは無事だよ。』
『そうか、そしてその結界が破れない限り、桜儚さんも…』
『そういう事。』
そこで祈祷は終了した。
「お、体が何か楽になったぞ。」
よかった〜、と健はへろへろな笑顔で言った。
夜通し祈祷しっぱなしだったのが、今になって応えてきたようだ。
少し休んだらどうだ、と達樹は言ったが健は首を振った。
「達樹、今重大な事に気付いたよ…。」
「どうした?」
「達樹は何の為に意識を失わされたんだと思う?」
「何でって……あ!!」
達樹の脳裏に描かれたのは、除霊薬の作り方だった。
「健、急がねぇと桜儚さんの結界が……!!」
「あぁ、行こう!!用務員室へ!!」
健の顔つきは先ほどのへろへろではなかった。
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