学校の階段!?

第9章  小村雑貨店

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  30分後、二人はボロボロの姿でトイレットペーパーの袋を抱えて店を出た。


「◎жζ★дφδ□@?!!」
「▲ψфё○γ…*%&。」

  健と達樹は何だか宇宙語らしきものを喋って理解し合えていた。
本人達は日本語のつもりである。それほどバーゲンは凄かったらしい。

ちなみに、先ほどの二人の会話を日本語訳するとこうである。

「疲れた…さっさと帰ろうぜ?!!」
「そ〜だね〜…帰ろ〜…」

  二人はふらつく足で『小村雑貨店』を後にし…ようとしたら、健の肩をぽんぽんと叩く人がいた。 振り返ると、そこにいたのは先ほどのメガホンを持った小太りのオッサンだった。

「君達、大羽高校の生徒さんだね?」
「え?…えぇ、そうですけど…」

どうやらこのオッサンは大羽高校の生徒を探していたらしい。学校に何かあったのだろうか。

「あ、怪しまないでくれ。うちの親父が君達と話がしたいっていうもんだから。 よかったら、うちで昼飯食って行ってくれないか?」

二人は顔を見合わせた。ちょうどその時、二人の腹の虫がオーケストラした。

「…決まり…?」
「だな。」

オッサンはがっはっは、と笑って二人の背中を叩いた。

「よっしゃよっしゃ、裏口から入ってくれ。」

二人はトイレットペーパーを脇に抱えたまま裏口を目指した。




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