学校の階段!?

第9章  小村雑貨店

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「「ごちそ〜さまでしたぁ〜♪」」

健と達樹は「余は満足じゃ」みたいな笑顔で手を合わせた。

「まったく、育ち盛りはよく食べるわね。」

そう言いながら、愛子は笑顔で皿を下げる。とっくに食べ終わっていた源三は新聞を読みながら頷いた。

「やはり、若者はこうでなくてはイカンのぢゃよ、愛子さん。」
「そうですね〜。でも、良い食べっぷりで、こっちも作り甲斐があります♪」

  自分の分の空き皿もお盆に載せ、「じゃあゆっくりしていってね」と言い残して 愛子は台所へと洗い物をしに行った。ついでにまだ店内にいる忠治に焼きソバを持っていくみたいだ。


健は知らず知らずのうちに愛子を目で追っていた。

「どうした?愛子さんに何か憑いてるのか?」

達樹が源三には聞こえないよう健に耳打ちすると、健はハッとして首を横に振った。

「違うんだ〜…なんか、お母さんみたいだなぁ〜と思って…」

アハハ〜、と健は笑ってみせた。その笑顔はやはり寂しそうだった。


「さてと、そろそろ話そうかの。」

源三が新聞を畳んだ。健も達樹も何の事だか、初めはすっかり忘れていた。

「…あ、源三さんは何故大羽高校の生徒を探してたんですか?」

達樹がとっさに思い出し、健も「あぁ〜」と手を打った。


「うむ…。あの学校にはまだ“幽霊伝説”は残っておるか?」




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