学校の階段!?

第9章  小村雑貨店

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「うむ…。あの学校にはまだ“幽霊伝説”は残っておるか?」


  健も達樹もギクリッ!!として冷や汗が出た。 まさか、健がその幽霊にとり憑かれていて、その野望を果たそうとしているなんて言えない。

「あ、ありますよ!!」

達樹は少し挙動不審で「な?!」と健に振る。健も挙動不審に頷いた。

「そ、それで、その幽霊がどうしたんですか?!!」


源三はしばらく無言だった。嫌〜な空気の重さになった。


「あ、あの…源三さん?」

「……ん?あ、あぁ、スマン。実は、お前さん達に頼みがあってのぅ…。」
「「頼み?」」

二人は思わずハモってしまった。源三は頷く。

「これを…その娘に届けて欲しいのぢゃ。」

そう言って、源三は自分のズボンのポケットからペンダントを取り出した。

「これ…ですか?」

健は手に取って見てみた。丸い飾りは翡翠のようである。

「それは、あの娘がいつも鞄に入れておったお守りみたいな物ぢゃ。 あの娘はひょっとして、まだこれを探しておるのではないかと思ってな…」

健は「そうなんだ〜」と言いながら話に聞き入っていたが、達樹は眉間にしわを寄せていた。


「あれ、達樹、どうしたの〜?」

親友の異変に気付いた健は達樹の顔を覗きこむように尋ねた。

「…源三さん、その幽霊の事よくご存知なんですか?」
「そうぢゃよ、なんせ…あの娘はわしの……」

次の言葉に健も達樹も口をあんぐりっちょした。

「許婚ぢゃったからなぁ…」



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