学校の階段!?

番外編

2

  何処までも広がる荒野に、少年がひとり立っていた。
舗装されていない獣道、その周りにはサボテンのような植物が点々と生えているが、それも数少ない。
遠くの方には巨大な山々が連なっている。

「さて、今日も頑張るぞぉ〜♪」

さっきまで凛々しい顔をしていた少年は急に本来の優しい笑顔になり、るるんた〜と獣道を歩き始めた。
痩せ細った背の低い少年の格好は魔導師の出来損ないみたいだ。
少し薄手の深緑色をした膝丈のローブ、脇の少し下から入ったスリットから同色のズボンが見え隠れする。
腰に下げている布の袋、手に持っているのは何かの樹木で出来た杖である。

「ふぅ〜…今日も“ココ”は凄い砂嵐だな〜…」

少年はローブに付いているフードをさっきより深く被った。

  ちなみに、“ココ”は現実の世界ではない。少年自体も“ココ”には存在してはいない。
少年の身体は今頃カプセルの中でインストライザー(思考転換装置)を装着して眠っているはずだ。

「今日で3日目かぁ……」

吹き荒れる風の中、少年はぽつりと呟いた。




前ページ<=>次ページ



序章へ戻る
トップへ戻る