学校の階段!?
番外編
3
−3ヶ月前、教室にて。
「えっ!!それ、本当なの?!!」
少年は驚きと喜びが入り混じったような声を出した。
「お〜よ!!昨日“政府(ソーシャル)”から依頼通知が来たんだ〜♪」
椅子に座っている青年がニカッと笑ってVサインをした。
顔立ちはかなり整っていて、笑った顔がかなり好印象を与える。
「でも、凄いよ〜。依頼の当選確率って募集の1000万の1なんでしょ?」
「らしいな。」
そう言って、青年の顔は笑顔から真剣な顔になった。
「でも、“政府”も変な依頼出すよな〜、『国が総力を挙げて開発したシステムの試験を若者諸君に試して欲しい』だなんて。」
確かに、と少年は思った。普通こういう物って“政府”が極秘でやるものなんじゃないか?
「募集要項もおかしかったぜ、『ゲームが得意な方、健康な方』だけだったし。」
ふ〜ん、と少年は聞きながら妙な胸騒ぎがした。
「ねぇ、止めといた方が良いんじゃない?」
「ん〜、でもな〜…俺が自分から応募した訳だし、行くわ。」
少年は眉間にしわを寄せたままだった。親友は確かに依頼通知が来た時嬉しかったのだろう。
しかし、よくよく考えれば何かがおかしいと気付いた。だから今こうして真剣な顔を自分の前でしているのではないか?
そんな少年と青年は、ふと目が合った。青年は椅子から立ち上がり、自分より20cmは低い少年の頭をクシャッと撫でた。
「だ〜いじょうぶだって、そんなに心配すんなよ。」
大きな手が暖かくて、少年は自然に「うん」と呟いた。
次の日、青年は旅立って行った。
「じゃあな、健!!行ってくる!!」
「気をつけてね、達樹!!」
それが、少年が親友を見た最期だった。
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