学校の階段!?

番外編

4

  2ヵ月たっても連絡もなく、帰ってこない。
聞いた所によると、試験期間は2週間で終わりのはずなのに。

「達樹に…何かあったんだ!!」

少年は―――五寸健はそれから1ヵ月後、1通の封書を手にする。
『V.I.Pシステム試験依頼通知』だった。

“政府”の試験場にやって来た健には説明会みたいなものが待っていた。

「今から訪れる“異界(アナジア)”は仮想の空間です。あなた方は“共和国(コム)”の住人として其処に存在します。 そして、襲い来る“敵(エネム)”と戦い、生き残らねばなりません。最終目的は“敵”の本拠地である“連合国(ユニオン)”を滅亡させる事です。 あなた方には“敵”と戦うため、様々な職業に就きます。戦う事で経験値が貯まっていきます。ここから先はゲームの熟練者であるあなた方に言う必要は無いでしょう。」

軍服に身を包んだ若い男はそこまで言うと、各自の前に設置されているカプセルの中に入るよう指示した。 健を始め、その場にいる少年少女達が全員長い卵型の装置の中に横になると、ゆっくりとカプセルの蓋が閉まった。 もう後戻りは出来ないという事らしい。

『では、インストライザーを装着してください。』

カプセル内に設置されているらしいスピーカーから先ほどの男の声がした。 健は辺りを見渡す。一応大の字が出来るほどの横幅はあるらしい。 すると、すぐ右耳の横辺りにゴツい眼鏡のような装置があった。 これが「インストライザー」らしい。健は少し重いそれを手際よく装着した。

『あなた方は目的を果たすまで帰って来られません。よろしいですね。では、V.I.Pシステム作動します!!!』

その声を皮切りに、カプセル内は機械音で埋め尽くされ、健の意識は遠のいていった……。




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