学校の階段!?
番外編
-7-
宇津井は確か“敵(エネム)”と言った。
「君は…“連合国”側の人間なのか?」
はっ、と宇津井は鼻で笑った。
「って事はお前は“共和国”側の人間か!!こりゃいいや!!」
はははは、と宇津井は笑った。明らかに健を馬鹿にした笑いである。
「山梨が“連合国”の方に来ちまったからこの世界にいる意味がなくなっちまった!!
そしたらアイツのお仲間が登場って訳だ!!」
「…この世界に…“異界”にいる意味って?相手国側を滅ぼす事じゃないの?」
宇津井の笑いが止まった。今度は冷ややかに健を見る。
「お前知らねぇの?“異界”で死んだ人間は現実でも死ぬんだぜ?」
嘘だ、そんな事“政府”は一言も……。
健は口を必死に動かしたが、言葉にならなかった。
「で、でも…どうして…こんな…」
「うるせえよ!!俺は山梨を殺す為に“異界(ここ)”に来たんだ!!お前を代わりに殺してやるよ!!!」
健はここで、もう一つの事に気付いた。
「達樹…達樹も“連合国”の人間なの?!!」
「あぁ、そうさ!!でも、残念な事に奴は皇帝陛下のお気に入り。下手すりゃ俺の方がバッサリ殺られちまう!!」
宇津井は正気を失っていた。焦点が合っていない。
健は愕然とした。達樹を殺さないと、僕は帰れない―――。
そして、目の前の宇津井も殺さなければ、自分が死ぬ…。
「覚悟しろ、五寸!!」
宇津井が腰に下げていたナイフを構え、健に飛び掛かってきた。
殺されるー――!!!!!
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