学校の階段!?

番外編

-8-

  健は目をつぶった。
その時、後ろから凄まじい光が飛んできて、宇津井の悲鳴が聞こえた。健は目を開けた。 そこにいたのは、血を流さず倒れている宇津井と、桜色のローブを身にまとった人間だけだった。

「う、宇津井君……?」

健は震えていた。宇津井の方に動こうとするが、体が言う事を聞かない。

「大丈夫よ、彼の魂を眠らせただけだから。」

桜色のローブの人間が口を聞いた。可愛らしい声だ。

「あ、あの…君…は……」

健が途切れ途切れに尋ねると、桜色ローブは被っていたフードを脱いだ。 二つに分けて三つ編みされた、緑の黒髪の少女だ。 顔立ちも声に負けず劣らず、かなり可愛らしい。

「私は桜儚、桐生桜儚。あなたと同じ、“共和国”から来た魔導師よ。」




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